活動日誌

市政報告№224号です。

NO,2249月決算市会閉会本会議で決算について討論に立ちました。

(更新日:2019年11月04日)

9月市会閉会本会議で、決算について討論しました。

日本共産党京都市会議員団は、報第1号30年度一般会計決算、報第3号国民健康保険特別会計決算、報第4号介護保険特別会計決算について認定していません。その理由を述べ討論します。

認定しない第1の理由は、大型開推進の一方で、暮らしの願いに背を向けているからです。
「京プラン」後期実施計画により、社会福祉関連経費を含む事務事業見直しで600億円の削減目標を上回るペースで、福祉・市民サービスを後退させ、赤ちゃんからお年寄りまでの暮らしに直結する予算削減、乾いたタオルを絞った行政改革により、市民生活に痛み押しつけています。
「高すぎる国民健康保険料を引き下げてほしい」との声は切実です。京都市の国民健康保険の被保険者の5割を超える方が所得0。2,000千円以下の世帯が9割を占める状況で払いたくても払えないのが実態です。高すぎる国保料が払えない市民に対して、京都市は制裁措置として、債権の差し押さえを行っていますが、2017年度には3,222件590,026千円にものぼります。決算年度は、黒字のうち3,720,000千円を、国保基金と財政調整基金に積み立てましたが、保険料を原資とする財源を一般会計に繰り入れたことは問題です。高すぎる国民健康保険料に苦しむ加入者の負担軽減にこそ使うべきです。
京都市が加入している「近畿国民健康保険者協議会」は、公費投入を増やして国保料を引き下げることを国に要望しています。国民健康保険が協会健保等に比べて保険料が高くなるのは、世帯一人当たり掛る「均等割」、世帯に掛る「平等割」の負担があるためです。
少子化対策にも逆行する、均等割りについて、京都市独自の減免を求めましたが冷たく拒否されました。また、「子育て日本一どころか」全員性の中学校給食を実施も計画もしていないのは、京都府内では亀岡市と京都市だけです。子供の医療費の無料化では、京都府内最低水準です。待機児ゼロどころか、希望する保育所に入れずに、休職活動を中止するなど、毎年500人以上が潜在的待機児となっています。公立保育所の廃止は行わず、認可保育所の増設こそ必要です。
市民の暮らしの切実な暮らしの願いには、冷たく背を向ける一方、未来への投資、国家的プロジェクトだと北陸新幹線延伸など、無駄な大型公共事業を推進しようとしているのは重大です。

 第2の理由は、安倍政権による「地方創生」、「自治体戦略2040構想」をそのまま京都市に持ち込み、「民間にできることは民間に」の路線を進めてきたからです。自治体の役割である「住民福祉の増進」を根本的に覆すような事態が進行しつつあります。市長は、2007年12月の市長選挙出馬表明で「乾いたタオルを絞るような、さらなる行革も必要」と、この11年間で職員数を3,337人削減し、自治体業務の民間委託、市営保育所の廃止、区役所の税業務・衛生業務・民泊対応業務の集約などが行われ、市民の利便性が後退してきました。
これまで区役所・支所などで行ってきた戸籍や住民票などの証明書類を郵送で発行する業務を集約委託化した「証明郵送サービスセンター」において大幅な遅延が生じました。7月中旬にスタートし、一か月半後には3週間の遅れになっていました。あってはならない行政サービスの低下が起こっています。申請書類はすべてが整っているとは限りません。何の目的に使う証明か、時には、申請者に問い合わせが必要なこともあり、それまでの蓄積と専門性がある市職員が行うからこそできる仕事です。「民間にできることは民間に」と、2億円もかけて委託して、遅延を発生させ、行政サービスの低下を引きおこし、効率性も失っていることを重く受け止めるべきであります。
さらに、京都市が2020年4月に、現在区役所・支所で行っている介護保険の認定給付業務を集約のうえ民間企業へ委託し、介護保険嘱託員130人を雇い止めにしようとしています。これは、介護保険制度の運営責任を民間企業に丸投げして市民サービスを後退させるとともに、介護保険制度発足時から働いてきた嘱託員を雇い止めするという、雇用主としての責任をも放棄するものであり、到底容認することはできません。
区役所職員は、門川市長が就任以来689人もが削減され、今年度の分も含めれば1,000人に迫る削減が行われようとしています。その結果、昨年の台風や豪雨による災害時に設置された学区の避難所に、職員は配置できず、り災証明書の発行が遅れるなど、災害対応の脆弱さが露呈しました。災害が多発する中、消防職員を54人も削減し、消防出張所の廃止や消防隊の減隊まで行われていることも認めることはできません。
「京プラン」に基づくさらなる職員削減は撤回することを求めます。

第3の理由は、呼び込み型開発と観光インバウンド一辺倒で、京都のまちなみを壊し、地域経済が大きく落ちこませているからです。
「持続可能な都市構築プラン」「新景観政策のさらなる進化」による、高さ規制や容積率の緩和は、新景観政策に反するものです。規制緩和で地価高騰を招くことになれば、若年層が住み続けられなくなり、大型店の進出などで地元商店街が次々と姿を消し、買い物難民など、一層暮らしにくい街にならざるを得ません。
「宿泊施設拡充・誘致方針」のもと、住環境と景観破壊も深刻です。「旧御室御所」として、世界遺産にも登録されている真言宗御室派総本山仁和寺の目と鼻の先に、高級ホテルの建設が計画され、危惧する声が広がっています。仁和寺そのものがユネスコの世界遺産に登録され、「高級ホテル」予定地はバッファゾーン内にあり、世界遺産を保存する役割を担っている地域にあたります。京都市の役割として厳格に保存の姿勢に立つべきことを求めるものであります。
観光消費額は年々増加していますが、地域経済に循環されていません。京都市の事業所減少率は政令市ワースト2位となり、1991年からの25年間で3分の1の事業所が消え、市内から働く場が失われています。観光インバウンド頼みの経済構造の中で、サービス業に携わる非正規雇用が拡大する中、非正規雇用率は政令市ワースト1位という現状で、勤労世帯1世帯当たり1か月収入も25%も落ち込んでいます。
京都の基幹産業である、和装産業の落ち込みはさらに深刻です。1975年のピーク時から生産量は、西陣帯はわずか6.7%、京友禅はわずか3.6%と壊滅的状況となっています。市長総括質疑でも同僚議員が「手描き友禅の仕事を続けたかったが、この仕事では食べていけない」との友禅職人さんの声を紹介していました。工賃が下がり続け、文字通りワーキングプアというのが、伝統産業の技術を持った職人さんの実態です。こうした方への直接支援は待ったなしの状況です。伝統産業の各現場の徹底した調査と市が主体となった対策を打ち出すことが必要です。
代表質問の答弁で「地域企業、中小企業の成長支援、世界で活躍する企業の拠点進出などを背景に、京都経済は緩やかな回復基調とされている。有効求人倍率も過去最高水準、正規雇用の伸びが非正規の伸びを大きく上回っており、高い水準の雇用情勢となっている。」との認識は、こうした深刻の実態には目を向け無いものです。
京都経済の活性化を図るために「経済の地域内循環」が必要としていますが、言葉ばかりで実態は、新たな価値の創造による「知恵産業」推進事業など特定のITやベンチャー、コンテンツ、先端産業、海外転換支援と一部の企業応援ばかりの産業政策です。業界全体の底上げを図るためにも、既存の中小企業や商店街、伝統産業従事者の実態調査を行い、それぞれの業界が事業として成り立つための適切な支援を強め「地域循環」で京都経済を立て直す方向への転換を求めます。

国の「地方創生」「自治体戦略2040構想」の路線を京都市政に持ち込み、呼び込み型開発や観光インバウンドを優先する一方、市民の暮らしは切り捨て、「公共サービスの産業化」で自治体を大企業の儲けの場へと差し出す市政から、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本」とする、地方自治法の精神が生きる自治体へ転換する必要があることを指摘し、討論とします。
ご清聴ありがとうございました。

(更新日:2019年10月31日)

市政報告№223号です。

(更新日:2019年10月19日)

市政報告№222号です。

NO,222

(更新日:2019年10月06日)

2019年原水爆禁止世界大会㏌長崎

●被曝75年、NPT体制50年の来年を、核兵器禁止条約発効の年に
 京都代表団150名余りとともに参加した「2019年原水爆禁止世界大会・長崎開会総会」は、核兵器禁止条約の批准国にボリビアが加わり、条約発効に必要な50か国の半分、25ヵ国に達したことが、開会あいさつをした、全商連会長の太田義郎さんから報告され、大きな歓声が沸き起こった。
 続いて、オーストリア大統領、ラオス国家主席等、各国の指導者からのメッセージと共に、立憲民主党の佐々木隆博副代表のメッセージ紹介の後、主催者報告を行った。世界大会議長団の安斎郁郎さんは、当初京都が原爆投下目標だったと報告し、実施されれば広島の被害を大きく上回る50万人が犠牲になり、歴史的建造物が破壊されるなど、日本との和解が困難になると、投下13日前の7月24日に目標から外されたと報告された。
 ヤルタ協定によって、ドイツが無条件降伏した5月8日の3か月後の8月8日にソ連は大日本帝国に対し宣戦を布告し、満州国に侵入し、千島列島と樺太を占領した。こうした中で、アメリカは8月9日午前11時02分、長崎に二発目の原爆を投下した経過などが報告され、原爆は「絶対悪の兵器」だと指摘された。
 「核兵器を持つことが安全」だとする主張は、「銃を規制するより、銃のある社会が安全」だと主張することと同様だと指摘し、46年間で、戦争により死亡した120万人を上回る、150万人が銃によって犠牲になっていると、「核抑止」論の誤りを指摘された。
 最大の核保有国アメリカでも、ワシントンDCやカリフォルニア州議会等、禁止条約受け入れを求める決議がされていることも紹介された。
 75年草木も生えないと言われていた、来年が75年。国連結成75年の年でもある。国連の第一号決議は核軍縮。核不拡散体制50年の節目でもある。核不拡散条約第6条でも核兵器国に核廃絶の義務を課している。
 核兵器の実戦使用による地獄を体験した日本の政府がこの条約に背を向けていることに強い怒りを感じる。日本政府が核兵器禁止条約を支持し調印・批准の為の検討を開始し、調印、批准していない国々に積極的に批准を呼びかけることを強く求めた。
 加害者と被害者の立場を入れ替えてみることが必要だとも指摘された。「ヒバクシャ国際署名」を世界中に広げ、「原水爆禁止世界大会ニューヨーク」に結集し、核不拡散条約再検討会議と国連総会が「生きているうちに核兵器廃絶を」という「被爆者の願いに真摯に応えるよう、知恵を出し合い努力を」と呼びかけられた。
※憲法9条は犠牲者の「無言の遺言」
 日本被団協代表委員の田中重光さんは、「被爆者は人間として死ぬことも、人間らしく生きることも許されず、また、被爆から12年間も放置されていた」と告発された。そして、1954年3月1日のビキニ環礁でのキャッスル作戦(ビキニ環礁、エニウェトク環礁の合計6回の核実験)では900隻を超える漁船が被爆し、マグロはえ縄漁船、第五福竜丸の無線長、久保山愛吉さんが「原水爆の犠牲者は私を最後にしてほしい」と、1954年9月23日に亡くなったことを契機に、杉並区の運動が大きく広がったことを紹介し「私たちは、自らを救うとともに、人類の危機を救う」ために、被爆体験を74年間語り続け、朝鮮戦争、ベトナム戦争、キューバ危機での核兵器使用の危機を阻止してきたと被爆者の果たした役割が報告された。
 「戦争という非常事態のもとでは、すべての国民は被害を余儀なくされたが、国民が等しく受忍しなければならない」とヒバクシャ、戦争被害者を切りすててきたことに対し、被爆者は国際署名を呼び掛けたと、その1年後に国連で、署名と同じ内容の条約が採択されるとは想像もしなかったと述べられた。ところが、唯一の戦争被爆国である日本政府は「核兵器国と非核兵器国の橋渡し役になる」と述べながら、自らその橋を落とし、核保有国と同じ立場に立っていると指摘した。
 第二次世界大戦後、日本が戦争に巻き込まれなかったのは憲法のおかげ。憲法9条は、広島、長崎の原爆犠牲者の「無言の遺言」だと、9条に自衛隊を明記し、戦争できる国に仕手はいけないと、2020年NPT再検討会議など大会の成功を呼び掛けられた。

※原点は市民社会の力  
 田上富久長崎市長は、核兵器禁止条約から2年で25ヶ国が批准に達する一方、INF(中距離核戦力全廃条約)が失効し、アメリカがイランとの核合意離脱など、世界の状況は厳しいと指摘。「原点は市民社会の力です」と述べ、具体的には「ヒバクシャ国際署名」だと、署名を集めることを力強く訴えられた。「被爆者のいる時代が終わり、被爆者がいない時代が始まる」と、「核兵器の恐ろしさを伝えていけるだろうか」と「しっかり準備しなければならない」と訴えられた。核兵器の廃絶は2つの年の問題ではなく世界の問題。過去の問題ではなく今の未来の問題だとし、この活動が実ることを!
 
※幅広い市民運動の連帯を!  
 初めて参加した、市民連合呼びかけ人の広渡清吾東京大学名誉教授、吉原毅原自連会長が連帯挨拶され、市民運動の共同の前進を実感した。広渡清吾さんは、核戦争阻止、核兵器廃絶、被爆者援護・連帯の原水禁運動の3つの原点。この世界的人類的課題の実現に貢献するには、日本国憲法のオリジナルなものである、9条の改憲を許さないことだと、原水爆禁止運動と連帯すると表明された。吉原毅さんは、平和利用の美名のもと、原発ガ設置され、チェルノブイリ、スリーマイル、福島の事故を引き起こした。自然エネルギーは無尽蔵にあるにもかかわらず、醜い欲と、利権に振り回されている。被爆の苦難を乗り越えた被爆者に敬意をと訴えた。

※政府代表からも   
 オーストリア欧州統合外務省のガルフーファー公使は、INFやイランの核合意など、核軍縮が厳しくなり、抑止力による核軍備が強化されているが、サイバー攻撃により核抑止は不安定なものになっていると指摘。オーストリアは被爆者の証言、アイキャンの行動に注目。限定的な核攻撃でも核の冬を起こす。エラーもある。核兵器禁止条約に署名した70ヶ国は核の危険を認識している。人道上の結束は何かを自覚することが必要。青年を隊列に、困難な時期こそやりがいがある時期と訴えた。
 駐日メキシコ大使、メルバ・プーリアさんは、国連創設以来、核兵器からの解放を唱えてきた。核開発と配備は認めないと、非核地帯創設に貢献してきた。核兵器禁止条約の採択はメキシコ外交と一致し歓迎する。核兵器禁止条約は、NPT第6条を強化するものと指摘した。
 駐日ベネズエラ大使、セイコウ・イシカワさんは、ベネズエラは国の憲法に核軍備撤退、核を禁止し、非核地帯の一員だと、防衛ドクトリンを認めないと、核兵器禁止条約は数十年の最大の前進だと述べた。
 
※世界の市民運動の交流 
 イギリスの、核軍縮キャンペーン(CND)ロンドン地区副会長ハンナ・ケンプ・ウエルチさんは、草の根の市民運動の役割、重要性を強調し、フィンランド湾南岸公共評議会のオルグ・ボロドフさんは、自国民を守ると行った核開発で自国民が犠牲になったと告発し、韓国女性団体連合常任代表のペク・ミスンさんは、市民団体の連帯が今こそ必要だと、韓国と北朝鮮は粘り強い話し合いと続けた。朝鮮半島の平和と北東アジアの非核化は、日本、米国、中国、ロシア等関係国の協力なくしてありえない。日本の市民社会が協力必要。日本政府は日本軍性奴隷被害者と強制動員被害者への心からの謝罪と国際法に基づいた賠償責任を認め、歴史的解決に努力すべき。報復と脅迫では解決できないと訴えた。アメリカ平和・軍縮・共通安全保障キャンペーン議長のジョセフ・ガーソンさんは来年4月にニューヨークの世界大会を呼び掛け、「表現の不自由展」の中止に抗議し、トランプ大統領の行動が危険な勢力に勢いを与えていると、アメリカで開く世界大会で、アメリカの犯罪的歴史を直視し、これまでと別の世界があることを証明をと呼びかけた。 

※日本の草の根運動
 山梨原水協・新婦人の会は、高校生が被爆者の被爆体験を被爆者と同じつらい思い出聴き、それをもとに描いた原爆の絵展を市役所など4か所で開催し会員20筆、16,000人の目標を7月に達成した。核抑止で平和を守るというまやかしを打ち破ろうと訴え、長崎県民の会は、地球市民会議を開催し、核抑止論をどう乗り越えるのかを考え、40万人署名を頑張ると決意表明。オール沖縄会議の稲峰進共同代表は、アメリカの属国、米国優先のもと公権力が恣意的解釈で沖縄県民を排除している。なぜ辺野古に吉が必要なのかの解答なく押し付けている。民主主義の問題であり、地方自治の問題。全国の問題だ。無理なこと法外のことを求めているわけではない。勝つまで絶対あきらめない。しなやかに柔軟に闘うと表明された。

●8月8日 大会二日目の第8分科会非核・平和の北東アジアと運動の役割
※3人の提言
・ジョゼフ・ガーソン(平和・軍縮・共通安全保障キャンペーン議長)さんは、トランプ政権のアメリカは偉大な軍事大国だと、何をしてもいいとの思い込みは行き詰っている。日米安保を通じて、日本、インド、オーストラリアとの同盟で中国を抑え込み、アジア太平洋の覇権を狙っている。貿易、サイバー攻撃、核軍拡、宇宙軍拡は憂慮すべき事態。進むべき道は外交しかない。米中だけでなく日本も含めた北東アジアの平和構築こそ必要だと述べた。
・キム・ジンヨン(韓国の社会進歩連帯)さんは、米韓日の軍事同盟解体、サードミサイルの撤退、辺野古新基地建設反対、憲法9条などの闘いを通じて軍拡サイクルを断ち切ろう。朝日の平和運動の連帯はまだまだ。5月、原水協の提案で開催された、国際平和プログラムの意義は大きい。2020年に向けて、平和だけでなく、民主主義、ジェンダー平等など共同で取り組む合意をと訴えた。
・川田忠明(原水協全国担当常任理事)さんは、官邸主導でメディアが支配され、日本政府の外交の破たんが隠されている。憲法9条を生かした外交こそ必要と、「日朝平壌宣言に基づいて話し合うことが大事」「被爆国として核兵器禁止条約に参加すれば大きな役割を果たすことができる」と指摘された。
 
※様々な課題で交流と理解が深まった分科会 
 日本製品のボイコット問題については、韓国国内でも様々な意見がある。韓国政府があおっているとの日本のメディアの報道に驚いたとの発言も。歴史問題を口実に経済制裁するのであれば、個々人が個人の判断で日本製品ボイコットという経済制裁で講義の意を表している。慰安婦も徴用工の問題も、朴槿恵政権が安倍政権と取引し解決しようとしたことが問題だ等、様々な意見が出された。感情的なボイコットではなく、交流を通じた話し合いが大事。安倍政権を、日朝の市民が共同し追い込むことが大事。
 ナショナリズムをあおり、悪感情が拡大を心配する声など。
 各地で、韓国市民等の交流や、韓国映画上映会のとりくみや、武器関連企業で武器でないものを作れと労働運動の紹介、や反共意識の克服などの意見も出された。
 ジェンダー平等についても、韓国社会の変化や、若者とともに運動をする上でも重要との意見が。
 ノー、ウーマン!・ノー・ピース!
   
  分科会終了後、平和記念公園や原爆資料館へ!資料館では屋上の振袖少女像で、作者の余江さんとお会いし、一緒に記念 撮影を。平和記念公園では、参議院選挙で惜敗した仁比そうへいさんと滋賀県の青年代表とばったり遭遇し記念撮影を!
  

●8月9日 閉会総会  
 閉会総会は、日本青年団協議会の連帯のあいさつで開会。

※被爆者の願いを世界に 
・長崎原爆被災者協議会副会長、横山明子さん
 4歳の時に、爆心地から4キロの自宅で、母、妹と被爆し、父親は、爆心から1,2キロの国民学校で被爆。4日目に再会した父親は、この世の人とは思えない有様だった。終戦の日まで過ごした防空壕のムシロは、吐しゃ物、汚物でぐちゃぐちゃだった。
 父は右目を失明し、「原爆ブラブラ病」で仕事に出勤できず、玄関で座り込み、首のそばが膨れ入退院を繰り返し、妹はリンパ腺が腫れ上がり、5歳で喉の手術の結果、かすれ声しか出なくなり、3年遅れで入学した中学校には1学期しか通えず、44歳で亡くなるまで病院生活に。両目とも失明し暗闇の中にいる妹から「私は何重苦?何の罰を受けているの?」。妹は、読書や手芸が好きで、戦争さえなかったらと「切なく、悔しく、怒りがこみ上げる」と訴えられた。
 母は、1972年64歳で胃癌でなくなり、翌年父が肺がんで亡くなった。健康で暮らせていたはずの人生を、原爆が奪い、苦しみの人生に。
 1971年初めて被爆体験を話した。命残り少ない母から体験を聞き証言したことを母は喜んでくれたと仰り、「父と妹をよろしく」と死んでいった母の無念が忘れられないと。「長崎を最後の被爆地に!」と訴えられた。
・韓国原爆被害者協議会理事 イ・ギュヨン
 広島に原爆が投下された当時、39歳の父は今だ行方不明。父の遺骨さえ拾えない悔しさ。遺骨を拾えず、韓国へ帰国したが、日本の戦争協力した被爆者として厄介者扱い。幼い兄弟を養うために苦労し亡くなった母を思うと胸が痛む。
 原爆投下から74年。戦争を起こした日本と原爆を投下した米国から謝罪もなく、韓国政府の援助もない。アメリカの責任を認定し謝罪を。日本も謝罪し賠償すべきだ。韓国の被爆者10万人、その内5万人が即死。韓国の被爆者は安らかな眠りに付けないままでいる。

※海外代表発言 
・アメリカ・ピースアクションの代表は、被爆者の話を聞き、アメリカ国民を代表し謝罪するとし、過去の教訓なしでは誤りを繰り返すと、新しいアメリカ外交目指して活動する。大統領選挙を目指し、ボランティア等で候補者を監視し、無数の小さな声が生きるよう何度かかっても活動すると、「みんなでやればとても大きなことができる」とヘレンケラーも言っていると紹介。
・スペイン平和研究センターの代表は、3軍複合体への金融支援している団体を監視し、軍事費と地球温暖化を研究している。ストックフォルム平和研究所によると、世界の軍事費は20年間で60%増加している。軍事産業に投資している銀行から預金を引き上げるなど、軍事費削減キャンペーンをと呼びかけた。
・ベトナム平和委員会、南シナ海での、超大国の過激なナショナリズム、国際法違反、主権侵害の現状を示し、3つの提案を行った。①平和運動の強化②大国による主権侵害一掃のキャンペーン③若い世代への平和教育を。被爆者、枯葉剤被害者の連帯をと訴えた。
・韓国・人道主義実践医師協議会の代表は、朴槿恵政権を退陣させたキャンドル集会が、安倍政権を追い詰めている。今年5月、「非核・平和のための日韓国際フォーラム」がソウルで開かれ300人が参加。市民団体の積極的な交流を呼びかけた。
・非核フィリピン連合事務局長は、参加する若者が増え、斬新なアイデアが未来の平和運度をを照らしている。外交による平和的な解決が唯一前進の道だ。

※草の根の運動交流 
・「高校生1万人署名」に取り組む長崎の高校生13人は、毎週日曜日、長崎駅等で署名行動を行い、集めた署名は20万筆を超えたと報告。「ビリョクだけどムリョクじゃない」と決意。
・北海道の高校三年生は、同世代と交流し見聞を広げたい。戦争の悲惨さなど、相手の立場に立って考え、行動することの大切さを学んだと、「これからも平和の扉を叩き続けたい。平和の扉は必ず開かれる」と力強く訴え。
・教職員組合や新婦人の会などからも次々決意が述べられた。
・小池晃日本共産党書記局長も挨拶。新たな共同の広がりを示した世界大会。参議院選挙でも共闘が新たな段階に進み、改憲勢力2/3占めることを許さなかった。安倍改憲許さず、憲法活かす日本に。
 核兵器禁止条約の「か」の字も言わない安倍首相は、どこの国の首相か。核兵器禁止条約に署名する日本政府をと訴え、来年被爆75周年、世界的な大運動を呼びかけた。

※行動提起 
 2020年を核兵器廃絶の歴史的転換とするため、5月の核不拡散再検討会議で、全ての政府にこれまでの合
 意の実行と核兵器禁止条約への参加を迫ると呼びかけ、その鍵は「ヒバクシャ国際署名」だと述べ、新たな決
意で署名に取り組もうと提起された。
※おわりに
  大会参加の皆さんご苦労様でした。今年も、行き帰りのバスのお世話役をさせていただき、不十分な点も多々あったと思いますが、バスの中での交流も有意義な時間でした。2号車の47名の皆さん、ご協力ありがとうございました。
 この報告は、大会中にノートにメモした物を中心にまとめたもので、聞き漏らしもあり、発言者の意図を正確に反映したものではなく、私の個人の感想的なものだということをご理解下さい。

(更新日:2019年08月18日)