府市民税特別徴収税額決定通知書書に個人番号を記載し、普通郵便で発送したため、誤配送、入力誤りで、個人番号が第三者に知り得る状態になる事案が発生し5月の委員会で取り上げたが、またまた事務処理誤りが発生していました。
6月19日の総務消防委員会で取り上げました。情報管理の危機意識が全く欠落している事。マイナンバーを導入することにより正確で効率的な事務運営が行えるとしていました。「同姓」など個人の識別の誤りはマイナンバー導入で無くなるとしていたのにもかかわらず、「異動処理における入力誤り」の原因は、同じ事業所の同姓(名前は別)の別人を処理したというものでした。個人を識別し正確な事務運営、事務の効率化に全く役に立たなかった。むしろ煩雑な事務を強いられ、情報漏洩を起こしたというのが実態です。
理事者報告では、約5万件の事業所に「市・府民税特別徴収税額決定通知書」を発送していますが、送付に至る事務処理の過程において事務処理誤りに繋がる恐れのある個所を特定した結果、事務処理誤りが生じた原因を「送付先の設定誤り」、異動届書の内容の端末入力における「入力誤り」及び「封入誤り」の3点だとして、給与支払報告書の内容確認における送付先変更届が提出された約2000件、異動処理(就職、退職、転勤)を行った約3800件、封入作業の手順書を守っていなかった職員が封入に関わった約3800件の合計約9600件の再確認を実施し、適正に処理され、封入の誤りは確認されていないと報告を受け質疑しました。
以下は6月19日の委員会のやり取りの要約です。
■平成29年度個人府市民税特別徴収税額決定通知書に係る事務処理誤りについて
○山田 すでに発表済みの2件について改めて聞く。1件は「送り先設定の誤り」。封筒の表書きは、「記載の宛名にお心当たりがない場合は開封せず、連絡いただきたい」旨の記載をしていたが、担当者が気付かず開封されている。情報漏洩していると認識しているか。
→平井市税事務所長 開封されたことで第三者の方が知り得る状態になったと認識している。
○情報漏洩だ。もう1件は、雇用関係のないものを事業所の従業員として通知書を作成し、当該事業者に送付したもの。この場合、開封しなければ分からないのでは。
→実際に確認していただいたという事。
○個人番号が漏洩したという事だ。番号法第12条により、事業者(特別徴収義務者)は、個人番号の漏えい、滅失又は毀損の防止その他個人番号の適切な管理のために必要な措置を講じることとされている。反した場合、番号法に基づく罰則が適用されることになる。すでに京都市は、安全管理を怠り、情報漏洩を起こした。従来から、所得と税額という個人情報を扱い管理しているというが、マイナンバーは個人情報一元管理し、なりすましなど犯罪を誘発する等、税情報とは質の違う個人情報。原因究明と再発防止に努めると答弁されたが漏れた情報は取り戻せない。個人番号を扱う資格はない。
→今回誤送付となり、個人番号を含む税情報が第三者の目に触れる状況となった。税情報そのものが第三者の目に触れることとなった事は重く受け止めている。重大だと感じている。再発防止に取り組む。
○2件は、事業者からの通報によって明らかとなった。2件以外にも誤りがなかったか、通知を発送したすべての事業所へ、今回の情報漏えいの事実を伝え、お詫びとともに、誤りがなかったか確認するよう求めたが、「封筒に注意喚起をしてあるので、事業者からの通報を待つ」との答弁だったが、こうした事案を受けて原因究明と事務処理の再確認を行ったところ、新たに2件(2名分)の事案が判明したという報告。今回の事務処理の誤りの原因は、給与支払報告書の内容確認における「送付先の設定誤り」、異動届出書の内容の端末入力における「入力誤り」及び「封入誤り」3点。「送付先の設定誤り」(2000件)、異動届出書の内容の端末入力における「入力誤り」(3800件)に関しては作業を見直し、「封入誤り」の3800件についてのみ電話などにより、封入誤りの有無の再確認し、適正に処理されているという報告。
3800件の電話確認の、事業所からの具体的な回答の内容はどうか。京都市が、今回税額決定通知をされた事業所の現状は、通知が届いても、金庫に保管どころか、机の上に放置し、中身も見ていない事業者もあるというのが実態ではないのか。
→電話でその場で間違いがないと確認できたところもある。給与事務を委託している事業所もあり、すぐにその場で確認出来ない、何かあったら連絡するように伝えた。
○何かあったら連絡をとの対応でいいのか。事業者によっては、自覚なく書類入れに放置されているところもある。正しい管理がされていないのが現状。そうしたところにマイナンバーを送っていること自体問題。また、従業員が退職されるなど異動されても届けが出されずにされているところもあり、毎年問い合わせがあると聞いている。こうした現状で発送されたことに対する認識は。
→異動があれば届をして頂いているが、タイムラグなどで退職された従業員が記載されていると問い合わせの電話もある。その都度、適正な処理をしている。
○適正な処理をしているでは済まない。すでに退職している従業員の個人情報が異動届が出ていないために相当数が洩れているのではないか。4件以外に第三者が知り得る状況にさらされている認識はあるのか。
→マイナンバーの記載については法令にのっとって行っており問題はない。
○電話の問い合わせがかかっている。情報漏えいの認識はあるのか。
→前年勤務されていた方の情報はタイムラグの関係で従来から通知している。京都市が退職情報を知りえない状況で発送している。確認した時点で適切に処理している。
○退職された方の前年の所得は事業所では把握されている情報。事務処理のタイムラグで税情報を送ったからと言って問題にはならない。それとは質の違う情報がマイナンバー。また、マイナンバーの導入で同姓の方など個人を特定し間違いはなくなると言っていたが、今回同姓での処理で間違いが発生した事案。事務の効率化にも、適正な事務処理にもマイナンバーが役に立たなかったことではないのか。むしろ情報が洩れる事態を引き起こした。対策防止にもなっていない。
○昨年の所得を報告する、給与支払報告書が今年の1月末までに市内の各事業所から京都市に報告されている。報告書の中で従業員のマイナンバーの記載の実績は。
→給与支払報告書にマイナンバーが記載されていなくても、法令に従い記載し通知している。
○法令により、法令によりとマイナンバーを拒否されている方の思いが無視されている。現に、記載せずに通知している自治体もある。自治事務として、自治体で判断されている。今回これだけの事態が明らかとなった。反省の上にどうするのか考える必要がある。番号法により事業者には厳格な管理が求められているが、事業者によっては管理体制が取れないために、従業員に個人番号の提出を求めていない事業所もある。また求められても個人情報の漏洩を危惧し提出しない従業員もいる。厳格な管理の必要性を認識していない事業者も多数ある。自治体の判断で記載しない自治体もある。今回の通知にマイナンバーが記載されていたことに記載しないでとの要望もある。そうした要望に応えるべきではないか。→
一部の方からお問い合わせはあった。法令により記載することになっていると説明し理解を求めている。
○マイナンバーに関わり、詐欺や犯罪が多発している。当初は厳格な本人確認でなりすましなどの犯罪を防止するとしていたが、施行されると利用拡大のためにあらゆる手続きに、マイナンバーを活用し情報漏えいのリスクを格段に高め、利便性の追求で利用範囲を拡大し更に、情報漏えいのリスクを拡大している。マイナンバーは公平公正な社会の実現どころか、国民の税・社会保障情報を一元的に管理し、社会保障の給付削減を狙いとするもの。一方、タックスヘブンなど富裕層の所得隠しには全く役に立たず、格差と貧困を拡大するだけ。マイナンバー制度は中止を。
古川税務部長→少数の自治体では記載されないところもあるが、総務省から記載を求められている。引き続き法令に基づき事務を行う。
(樋口英明議員の関連質問)
樋口 まず基本的認識について聞く。今回の説明では、個人番号を含む税情報が第三者の知り得る状態になる事案が発生した、と言われているが、マイナンバーが漏えいしたという認識と同じか。
平井氏税事務所長 個人番号を含む税情報が第三者の知りうる状況の事案が発生したという事。
○個人番号を含む情報が漏洩したという認識なのか。局長、どうか。
岩崎財政担当局長 先ほどから申し上げている通り、マイナンバーを含む個人情報が漏えいした状況に置かれた。
○その認識での対応が必要。今回の送付作業に関わった方。発送だけでなくコンピューター処理を含む事務を行ったのは全員が本市の職員か。
→本市の職員だ。
○全員が本市の職員でアルバイトはいなかったのか。アルバイト、派遣はいたのか。
→特別徴収事務の繁忙期においてはアルバイトも含まれている。1月の一カ月は約30人のアルバイト。発送時は5日間19名のアルバイト職員を雇用している。
○郵便局からの返戻は何件あったのか。
→例年100数十件程の返戻がある。
○作業手順を守っていなかった職員が扱っていた3800件に電話連絡し、半数はその場で確認した。残りはその後連絡が無いので誤りは無いとの認識か。
→現在のところ誤りの連絡は無い。
○現在のところとつけざるを得ない。結局わからない。現在のところ間違いがないと思われる。この認識が必要。5万件発送したが、確認が出来たのは1900件。残りの1900件は現在のところ誤りが無いとしか答えようがない。間違いがなかったと言えるのは現在1900件としか言えない。間違っていなかったのか、5万件全ての確認が必要ではないのか。
→マニュアルを守っていなかった誤送付の可能性があるところに電話等の確認を行っている。どこに原因があるか特定し確認を行っている。
○それ以外は必要ないのか。間違いはないと言えるのか。
→事務処理について再度検証し、どの原因で誤送付が発生しているのかを特定して確認を行っている。
○事業所からの異動届が出されていないところはないといえるのか。京都市のところでつかんでいない異動が、今回もあったのではないのか。ないと言えるのか。
→異動届が出されていない事例はこれまでも生じている。問い合わせがあれば、異動届けの提出など、適正な処理をしている。
○今回もありうる。現在在職していない退職した従業員のマイナンバーが記載されている可能性がある。情報漏えいではないのか。
→私どもの事務処理の誤りではない。それは我々の、事務処理の誤りは無い。事務処理の段階で把握できなかったものであり、法令にのっとり送付している。
○そうです。みなさんの事務処理の誤りではない。しかし情報漏洩は起こっている。そういう作業をしているという事。京都市には責任が無いという事かもしれない、しかし実際に発送しているのは京都市。それによって情報漏洩している。どこに責任があるのか。国にあるのですか、仕方がないのですか。
→これは情報漏洩ではないと考えている。
○いろんなケースがある。たとえば退職の場合をしめした。いない従業員の情報が送られている。これが情報漏洩ではない。危機的な認識。税情報は確かに重要な情報。そこにマイナンバーが付いている。これまでとは比較にならない情報がヒモ付けられている。だから厳格な管理を求めている。昨年までの情報と違うという認識は。
→特別徴収税額通知書という法令に定められた様式のっとって通知している。高度な情報という点では、今年と昨年と変わらない。
○そこが間違っている。マイナンバーが付番されている。だから担当者を決めて金庫にしまいなさいということが義務付けられた。それでも同じと言えるのか。
→特別徴収税額という個人情報が含まれていることは去年と同じ。事業者が番号付番が義務付けられているその部分については去年と違う。
○去年とは違うマイナンバーを保管するガイドラインを定めている。去年と一緒ですか。
→特別徴収通知書にマイナンバーの記載が義務つけられている。すでに事業者がそのことは承知している。その部分においては昨年度と違う。事業者と市とのの間で正確な番号を共有し、事務の効率化を図る。
○受け取った側は、ガイドラインを作って厳格な処理を求めているのは去年と違う。再発防止により100パーセント防げるのか。
→100%防げるように徹底してまいる。
○他の自治体ではこういうことが起こり得るから判断している。なぜこの判断ができないのか。危機意識がない。
何故マイナンバーの記載するのか。
→正確な番号共有され、公平公正な課税と、事務の効率化につながる。
○事務の効率化、どころか今回のような情報漏えいを起こした。国に対しマイナンバーの付番の中止を求めよ。
(更新日:2017年06月23日)