(更新日:2016年12月14日)
11月14日の委員会で、マイナンバーについて質疑した。
マイナンバー法が施行されて、1年余りが経過した。いまだに、通知カードが届いていない世帯が170万人だと報じられ、各自治体に保管されたままになっている。動きだして1年を経てもこれだけの規模の人が自分の番号を知らされず置き去りになっていること自体、制度の深刻な矛盾を示している。これらの通知カードは、配達時に不在で返送されたままになっていたり、住民票のある住所と実際に住んでいる場所が異なっていたりして届いていない。
こうした実態を示して認識を質したが、京都の発行状況は1割を少し超え全国平均より良いとの答弁だった。
国民にとって、マイナンバーによる利便性向上の実感もはない。日常的には不要なもの。何年に一度、あるか無いかの申請が便利になる事よりも、情報漏えいへの懸念が大きい。そもそも「個人番号カード」は身分証明の他に今のところ使い道はない。むしろマイナンバー、顔写真、生年月日、ICチップが一体となったカードを持ち歩くことの方が紛失や盗難のリスクが高まる。国民も利便性や必要性を感じないため、カードの申請も1千万件余りで頭打ちになり、政府の目標の3分の1程度。国民にとって不要なものだから、マイナンバーの発行が一割程度の現実が示していると質したが、「今後、利用範囲を拡大し利便性をはかる」との答弁。
利用範囲の際限ない拡大は懸念がある。現時点の利用情報は税・社会保障・災害の行政手続きと限定されているが、国会では、「預貯金」「検診」の情報にまで拡大する法案が成立している。検診情報をマイナンバーに盛り込むことで、個人の医療・健康情報がこと細かく察知され、商用へと悪用される危険を伴う。社会保障の給付削減と負担増につながることが懸念される。政府は、この制度で、「社会保障の給付負担増の公平性」を図るとして、財務省は「預貯金」を勘案して負担求める考えを示しており、高齢者への度重なる負担増と給付減に更なる拍車をかける事が懸念される。一方、タックス、ヘイブンなど大資産家の資産隠しには全く役に立たない。「負担の公平」に資するどころか、真逆の制度だと指摘したが、「負担の公平を図る制度だ」という。なにより、利用範囲の拡大は情報漏えいの危険の拡大だ。
IT産業だけに莫大な儲け口を上げる結果となっている。安倍内閣は、「成長戦略」の一環としてマイナンバー制度を3兆円規模の「市場」をIT産業に委ねている。厚生労働省の職員と民間企業との汚職事件が起きた。マイナンバーの政府広報のトップページに、詐欺への注意を呼びかけざるを得ない制度だ。利用拡大となれば、さらなるセキュリティー対策に膨大な費用負担が発生しかねない。
マイナンバー制度の運用を一手に引き受けている「地方公共団体情報システム機構」(J-LIS)に全国20政令都市が支払った業務委任などの負担金が少なくとも124億円。総務省の天下り法人であり、マイナンバーでは機構の他の選択肢はなく、契約金額の妥当性が検証できない。今後、健康保険証と個人番号カードの一体化など利用拡大が狙われている。利用拡大が進むたびに、気候に多額のお金が入る仕組み。こんな不透明な天下り組織に国民の税金を払い続けていいのかが問われると質したが、「国において適切に行われている」そうだ。
中小企業への負担が大幅に増える。マイナンバーへの初期費用だけでも膨大な費用となり、営業を圧迫させることにつながる。また、中小企業の事務負担も膨大だ。これから年末調整などで勤務先からマイナンバーの提示を求められる場合も増えるため、新たなトラブルの発生も心配される。
マイナンバー制度は徴税強化と社会保障給付抑制を目的に、国が国民の情報を厳格に掌握することを狙った仕組み。国民を監視する手段にされかねないことへの不安の声も強まっている。
国民にとって不必要で危険な仕組みを続けることは問題だ。運用状況を徹底検証し、制度見直し、中止へ踏み出すことが必要だと指摘した。
12月2日は、住民税特別徴収通知書へのマイナンバー記載について質疑した。
総務省は「住民税特別徴収通知書」に従業員のマイナンバー(個人番号)を記載して事業主に送付するよう通知している。従業員の個人番号が強制的に事業主に提供され、郵便物の紛失や誤配達によって個人番号が漏洩する危険も高まると指摘したが、まったく聞く耳を持たない答弁。
一人の従業員でも個人番号を扱う事業主すべては「個人番号関係事務実施者」とした、多数の事務を無償で負うことが義務付けられた。
①従業員、パート(扶養家族を含む)などから個人番号の提供
②厳格な本人確認
③確定申告などに個人番号を記載して提出
④外部に流出しないように日常的に管理
⑤従業員が退社した場合など番号の確実な廃棄
さらに情報が漏れた場合、4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が科せられる。事業所内の書類の厳格な管理が求められ、セキュリティー対応のパソコンソフトへの切り替えが必要となり、頑丈な金庫やシュレッダーなどの設備などが必要となる。零細事業者には、過大な負担を求めながら役所からの通知は、普通郵便で送りつけ、個人番号漏えいの危険にさらし、個人の人権を侵害することは許されない。確実な情報保護ができないことは明らかであり「住民税特別徴収通知書」への従業員のマイナンバー記載はやめるよう求めたが、壊れたレコードのように「施行規則で定まった様式に基づき送付する」の一点張り。東京税理士会が、質問状を発送したところ、この回答の中で、足立区や世田谷区などからは「東京都市税務事務協議会において個人番号記載を不要とするように総務省に要望、制度改正を申し入れている」との回答もあったとの事例も示し、提供はやめるよう京都市として総務省に要望すべきだと指摘もした。
事業主に個人番号を提供するかどうかは従業員の人権に係る問題であり、提供するかしないかは従業員の自由。国民の利便性を言いながら、国民の情報を強制的に集め、管理し活用することが目的だから、国民の権利侵害し、国民の信頼を失うこととなり、普及がすすまないのが現状だ。
少なくとも今回の「住民税特別徴収通知書」に従業員のマイナンバー記載は中止することを強く求めるた。
(更新日:2016年12月03日)
11月市会、予算特別委員会第一分科会で、「21世紀インフラ整備 農林水産物の輸出促進と農林水産業の競争力強化」のための国の補正予算を活用し、京都市中央卸売市場第二市場(食肉市場)について、京都肉をはじめ国産業肉の海外輸出輸出推進機能を持った施設整備予算について質疑した。
TPPに対応して、輸出促進を図るための事業予算で、京都牛をブランドにし海外に売り込もうというもの。
1991年、日米牛肉オレンジ交渉で輸入自由化され、75%だった関税率がウルグアイラウンドにより現行の38.5%になった。その影響で、食肉市場を経由しない輸入肉の増加で、食肉市場経由率は平成2年38.2%あったものが、平成17年には16.4%と半分以下になった。
京都市第二市場(食肉市場)はBSE全頭検査を行い「安心・安全・良質」な食肉を安定して提供する拠点だが、すでに、多くの食肉が、大手食品メーカーや量販店、外食産業により市場外取引で流通している。TPPが批准されれば、市場外流通は一層拡大するのではないのか。食の「安全・安心・良質」な食肉を安定して供給できなくなるのでは無いかと質した。
確かに、和牛への高い評価で、牛肉の輸出は伸びており、衛生基準が高く輸出基準に適合する施設整備は必要だ。しかし、14年の輸出量は僅か1400tにすぎず、輸入量520000tのわずか0.3%にしか過ぎない。牛肉輸出が関税削減による輸入増を補うことにはならない。TPP推進ではなく、地産地消、地域循環で「安心・安全」な地元産の地域での流通にこそ力を注ぐべきだ。
(更新日:2016年12月01日)
市会ホームページを開設して1年半になります。私のホームページに張り付けてあるメールアドレスでメールを送信してくださった方に大変失礼なことをしていました。
受信メールをいつも開けてチェックしていましたが、ただの一通のメールも届いていない。代表質問してもなんの反応もない。誰からも期待されていないのだと、メールを開けるたびに思っていました。ところが、送られてきていたメールが届いていないという事実が本日明らかになりました。サーバー移行の作業で事務局からその事実を伝えられたのです。
「メールを送っても無視するやつ」だということになっていることだと思います。ネットの世界については疎い私です。私が私的に使っているアドレスとの連動の作業でこういうことになっていたようです。依然問題は解決していませんので、私のメールアドレスを一応載せておきます。yamada-kouji@amail.plala.or.jpです。近日中には何とかします。
(更新日:2016年12月01日)