東電福島原発事故被災者の健康と 広島・長崎の被爆2世健康実態調査報告 学習交流会

 
 「福島の被曝、そして広島・長崎の被爆を重ね合わせるもの」と、東京都小平市で開業され、東京から岡山へ移住された三田茂医師の学習講演会に参加しました。
 三田茂医師は、福島原発事故で被災した子供たちなど3,000人以上を診療されてきた医師です。
 三田医師は、小平市医師会の理事を務められ、災害対策担当をされていたそうですが、行政の「地域防災計画」は、地震、風災害に対しては「都民の健康、生命、財産を守る」とあるのに、原子力災害に対しては「都民の不要な混乱を防止する」となっており、これをよりどころに原発事故対応が切り捨てられていると告発されています。
 放射能事故は同心円に被害が発生するものではありません。放射性プルーム(放射性雲)は大気に乗り、山間の谷筋を通り拡散します。東京にも葛飾区の浄水場で放射性ヨウ素が検出され、また母乳からも放射性ヨウ素が検出されました。300キロ離れた、茶葉からも放射性セシュウムが検出されています。
 
 「リンパ腺が晴れる」「鼻血がでる」「咳が止まらない」「皮下出血を体験」等々、放射能が影響している症状が幾例も確認されていますが「不要な混乱を防止する」と「問題ない」と切り捨てられています。しかし、数値として表れている真実に目を向けなければなりません。



 東京の電車の社内の広告には「お客様にお願い。気分が悪くなったら最寄りの駅で下車してください」との広告があるそうです。現に、気分が悪く車内で倒れる方が続出し、電車が遅れることが起こるそうです。福島事故以降、確実に何かが変わっていることは間違いないのではないかと告発されています。

 成人がかからない、子供の病気にかかる大人が増えている事実。肝炎などの、血液の病気が増えているそうで、働き盛りの急死も多いと話されていました。
 朝起きれずに、午前中はだらだらしている子供が、岡山に診察に来ると、3日間滞在で、朝から走り回り、本来の子供の姿を取り戻すといった例もあるとのお話でした。精神的なものなのか、東京という社会の中に何かあるのか。
 「風評被害」「気のちの持ちよう」等、放射能被害がなかったかのように。被災地支援だと、福島産品を安心だと拡散しながら、被災者を切り捨て、東電や国の責任を放棄する無責任さと、被害の拡散には怒り心頭です。被災者支援の第一義的責任は、東電と国にあります。被災地産品を購入し支援することを押し付けられるものではありません。被害を受けた生産者の支援を放棄しながら責任転嫁も甚だしいと言わなければなりません。
 癌や白血病の死亡率が高くなっていることも、被爆が要因と考えられます。1970年代に繰り返された核実験ですくなかなず多くの人類が被爆させられました。ましてや、原子力緊急事態宣言が発せられたままの被曝地東京に、アスリートを呼び込むオリンピックの開催に莫大な費用を投じアスリートに不要な被ばくを強いることは検討が必要です。「オリンピック」「安保法制」「リニア」「TPP」等と暴走するのではなく、被災者の支援、被災地の復興こそ必要ではないでしょうか。
 原発も原爆もいらない。放射能とは共存できないことを多く人が自覚すべきだと強く考えることができました。

(更新日:2016年11月27日)