「戦争と経済」  中小企業9条の会

 キャンパスプラザで開催された、中小企業9条の会の講演会。
 
 開会あいさつで、この間の「中小企業9条の会」の取り組み経過が杉原氏が報告。
 続いて、京都大学の岡田知弘先生の「戦争と経済・中小企業の歴史から学び、未来を展望する」と題し講演。、

 「統制」から「動員」へ。国家総動員法の下で、京都の経済は西陣・友禅・清水焼・商店はつぶされ、軍事工場へ動員され、七・七禁令で絹織物や染め物、刺繍品が「贅沢品」禁止で京都経済が大打撃に。
 「室町問屋の大葬式」「平和産業」の淘汰によって、軍需工業労働者に。
 一方、財閥系大企業に資本と富が集中。14大財閥への資金集中度は、1937年の22.6%から45年の42.6%へ。6大重点産業の主要民間企業の6割が財閥系企業が。
 戦後、中小企業庁発足し蜷川虎三初代長官に。民主化と非軍事化を目標に、農地改革、財閥解体・独占禁止、労働改革で中小企業の役割を重視する施策がとられたが、その後吉田茂内閣で「大企業本位」に。
 中小企業長官時代の中小企業政策の基本的考え方が、蜷川京都府政の中小企業政策に生かされた。今に生きる教訓だ。
 
 景気低迷の中「戦争になれば景気が良くなる」の神話も解明されました。朝鮮戦争特需は一部の産業に集中し、生産増と答えた企業は3割にとどまり、一方、輸入材価格の高騰、運転資金調達難で、資金繰りが苦しい中小企業は6割に。
 1951年7月休戦会談を機に、反動不況に陥ったのが現状。

 1960年代の高度成長は「大企業の輸出神話」は本当か?国民総支出の増加に占める輸出の寄与度は11.7%だが輸入寄与度はマイナス12.1%。最大の要因は勤労者の個人消費支出増加の58.2%。輸出が成長をつくったのではなく内需型の個人消費だった。ここでも根拠なき神話が。
 歴史の教訓学ばない「アベノミクス」。日本経団連による9条改定・武器輸出要求と原発再稼働・輸出要求につき従う「きな臭さ」。軍需産業イコール原子炉メーカーが実態。安倍流「富国強兵」国家をめざす「国のかたち」と地域と自治体のあり方が問われる。
 戦争の教訓から生まれた「地方自治」。これがまた戦前の国の下請けとしての道州へ。すでに、京都市政は「地方創生」の名のもと国の下請けに。
 市長選挙勝利。戦争法廃止と集団的自衛権行使容認の撤回し、立憲主義を取り戻す闘いを!

 今西氏が閉会あいさつ。200名あまりの参加でした。
 

(更新日:2015年11月14日)