人事委員会の勧告を受け、給与減額の延長ではなく賃上げを。予算特別委員会

 11月市会予算特別委員会委員会第三分科会で、交通局と上下水道局に対し質疑を行いました。
 人事委員会勧告に従い期末手当の引き上げを行いながら、行財政改革計画の人件費カットの50億円の目標を達成すためと、課長補佐、係長、3級、2級の職員の給与減額の期間を延長し年間給与を減額するもの。期末手当の引き上げは必要だが、給与カットにより課長補佐、係長、3級、2級の職員の猶予の減額は、行財政改革により、人勧勧告に反し物価高騰のもと賃金の引き上げこそ必要であると質しました。
 交通局、水道局に対しそれぞれ同じ内容で質問しました。
 水道局からは事前に減額の延長により減額される給与額の資料をいただいたうえでの具体的な数字も示して質疑しました。
■議題306号 令和4年度京都市自動車運送事業特別会計補正予算
■議題307号 令和4年度京都市高速鉄道事業特別会計補正予算
◯給与改定及び給与減額措置の実施期間の変更。期末手当の引き上げに伴う補正予算は自動車運送事業特別会計で55,000千円、高速鉄道事業特別会計で37,000千円。期末手当を引き上げる一方、給与減額措置の延長で減額補正は、自動車運送事業特別会計で▲17,000千円、高速鉄道事業特別会計で▲16,000千円。期末手当を引き上げながら給与を引き下げる補正予算。京都市人事委員会の勧告では月例給は改訂無しだが、その点認識はいかがか。
(答弁→大塚企画総務部長)本件については改訂なしの勧告が出ている。それに則って給与改訂するのが市の方針と認識している。
○勧告では改訂無しだが、引き下げたのもその方針に則っているとの認識。国の動向も見る必要がある。令和4年8月の人事院勧告について、人事院総裁談話で、「本年は、民間における賃金の引上げ を図る動きを反映して、本年4月分の月例給について、民間給与が国家公務員給与を平均921円(0.23%)上回る結果となりました。そのため、初任給及び若年層について、俸給月額を引き上げることとしました。また、特別給(ボーナス)についても、民間事業所における昨年8月から本年7月までの直近1年間の支給割合が公務を上回ったことから、年間4.40月分に引き上げることとしました。」と言っている。給与に関する勧告・報告では、公務と民間の本年4月分給与を調査。主な給与決定要素を同じくする者同士を比較し、3年ぶりに月例給、ボーナス共に引き上げになっている。京都市人事委員会は民間給与との較差が108円(0.03%)と極めて小さく、給料表及び諸手当の適切な改定を行うことが困難であることから、月例給の改定を行うことは適当でない。今回の補正ではボーナスは引き上げられたが、月例給は行財政改革計画の削減目標に達しないと引き下げ。人事院勧告に従わないもの。国と地方に差が出る。
(答弁→大塚)国の人事院勧告は国の調査に基づいて国が判断して出している。本市も民間事業者について給与実態を調査し、人事委員会の勧告として出ている。市職員は人事委員会勧告に基づいて改訂を行う。給与カットについては、行財政改革実施に伴い、勧告とは別の考え方で、50億円を捻出するという市全体の判断、人事委員会とは別の判断として取り組んでいる。
○行財政改革計画で決めた50億円給与カットに縛られる必要はない。令和3年決算概況では、特別の財源対策を令和3年度決算で147億円(236→89億円)圧縮するとともに、これまでの公債償還基金からの借入れのうち187億円返済。令和4年度予算でも 113億円(230→117億円)圧縮し、行財政改革計画策定時から447億円収支改善としている。給与カットは必要ない。
(答弁→大塚)行財政改革の給与カットで、R5年度までに50億円捻出する最初の方針に則って市が判断し給与カットしている。
○収支の改善で、最初の方針の前提が崩れている、見直す必要がある。今回の給与カットは1級を除いて、課長補佐級含めて延長される。総額でみると減らないように見えるが、個々を見ると課長級2級、3級職員を見ると、給与カット金額が一時金引き上げ金額を上回るのではないか。物価高騰で暮らしが大変な時に、職員のモチベーションが下がりかねない。
○総務省が発表した消費者物価指数は、生鮮食料品を除く総合指数が前年同期比で3.6%上昇。第二次オイルショックの影響が続いた1982年2月以来40年8か月ぶりの高い値。資源・原材料価格の高騰に円安が重なり、上昇は14カ月連続。食料が5.6%上昇し41年7カ月ぶりの上げ幅。2人以上の平均的な世帯の費目別支出額にそれぞれの物価上昇率をかけて負担額を算出すると、食料品59千円、光熱費37千円、ガソリン代2千円、その他33千円。年合計131千円の家計負担増になる。物価高騰に最も有効な対策は消費税の減税と賃上げで、家計消費を温めて景気回復を図るべきだ。「勧告を通じて、職務に精励している職員に適正な給与その他の勤務条件を確保することは、職員の努力や実績に報いるとともに、人材確保にも資するものであり、組織活力の向上、労使関係の安定等を通じて、行政の効率的、安定的な運営に寄与するものです。」との談話に賃金カットは反する。職員のモチベーションが下がらざるを得ず、人材確保が困難となるのではないか。賃下げではなく賃上げが必要だ。
(答弁→大塚)局の給料は人事委員会の勧告に基づいて決定される。合わせて、今の京都市の財政状況を鑑みて、行財政改革で給与カットR5年度50億円捻出は、市全体で決定されたこと。
○勧告では改定は必要ない。行財政改革というが、収支は改善している。市民生活のライフラインを支える重要な仕事を担っているのが公営企業。「職員の能力を引き出し、組織のパフォーマンスを最大限発揮するためには、職員の能力・適性等を考慮した育成、人事評価の結果の任用・給与等への適切な反映が重要」と人事院勧告・報告でも指摘している。人勧の指摘に応え、給与カットは撤回を。
○岸田政権も「構造的賃上げ」と賃上げの必要性を認識している。国内総生産の5割以上を占めて いるのが家計消費。京都市職員も、消費者として京都経済に貢献していく上でも、賃金の引き上げが必要と求めて終わる。
【 上下水道局 】
■議題304号 令和4年度京都市水道事業特別会計補正予算
○今回の補正予算は、京都市人事委員会勧告に応じて、期末手当を引き上げる一方で、給与減額措置を延長、事実上給与は下がる。確認だが、京都市人事委員会勧告は、給与は改訂無しとしているが、いかがか。
(答弁→日下部総務部長)人事委員会勧告は、市内民間事業者のボーナス支給状況や給与状況、均衡を図る観点で市長部局において今回、0.1か月分のボーナス引き上げで、当局も引き上げるもので、人事院勧告に基づいた給与の引き上げを行っている。
○一時金引き上げと、給与改定はしないと勧告している。事実上給与を引き下げているのではないか、人事委員会勧告と違うのではないかとお聞きした。
(答弁→日下部)給与カットと勧告との関係、人事委員会勧告は、民間との給与の差はわずかで、給与表の改訂は無し。給与カットは、本市の危機的な財政状況の中で、災害や新型コロナ等の不測の事態に際して、市民の命と暮らしを守る、その財源として一般会計で50億円を捻出のために行われる。人事委員会勧告の実施とは別物と認識している。
○物価高騰で今は、賃金を上げなければならないとき。令和4年8月の人事院勧告について、人事院総裁談話で、「本年は、民間における賃金の引上げを図る動きを反映して、本年4月分の月例給について、民間給与が国家公務員給与を平均921円(0.23%)上回る結果となりました。そのため、初任給及び若年層について、俸給月額を引き上げることとしました。」と言っている。給与に関する勧告・報告では、公務員と民間の本年4月分給与を調査。主な給与決定要素を同じくする者同士を比較し、3年ぶりに月例給、ボーナス共に引き上げになっている。京都市人事委員会は民間給与との較差が108円(0.03%)と極めて小さく、給料表及び諸手当の適切な改定を行うことが困難であることから、月例給の改定を行うことは適当でない。今回の補正でボーナスは引き上げられたが、給与は行財政改革計画の削減目標に達しないと引き下げ。人事院勧告に従わないもの。国の勧告と地方の判断に差が出ている。
(答弁→日下部)人事委員会勧告に沿った給与改定の実施を行う。給与条例・補正予算の提案をしている。給与の減額措置は、本市の危機的財政状況を勘案して実施するもので、別の物と考えている。
○行財政改革計画で決めた50億円給与カットに縛られる必要はない。令和3年決算概況では、特別の財源対策を令和3年度決算で147億円(236→89億円)圧縮するとともに、これまでの公債償還基金からの借入れのうち187億円返済。令和4年度予算でも 113億円(230→117億円)圧縮し、行財政改革計画策定時から447億円収支改善としている。50億円の給与カットは必要ない。
(答弁→日下部)50億円の基金への積み立て、従前のカットについて課長補佐級以下12/1からカットを再開する。それにより50億円捻出する。もともと50億円の捻出は人事委員会勧告の内容増減も含めてと説明している。当局も新型コロナの影響で、収入が経営プランと比較して落ちている。24時間365日市民の安全安心を守るための、くらしを支える上下水道を守る、その財源確保の意味もあり同様の給与減額をしている。全市一丸となって財政危機に対応していく。
○かなり無理のある説明。基金50億円、給与カットで確保に縛られる必要はない。
◯令和4年度給与減額措置及び期末手当の引き上げによる1人当たりの影響額の資料を頂いた。課長補佐級3%カットの当初分の減額の▲85千円に、令和4年12月から令和5年3月の4カ月で▲48千円、合計▲133千円。期末手当引き上げ51千円で差し引き82千円の減となる。
○総務省が発表した消費者物価指数は、生鮮食料品を除く総合指数が前年同期比で3.6%上昇。第二次オイルショックの影響が続いた1982年2月以来40年8か月ぶりの高い値。資源・原材料価格の高騰に円安が重なり、上昇は14カ月連続。食料が5.6%上昇し41年7カ月ぶりの上げ幅。2人以上の平均的な世帯の費目別支出額にそれぞれの物価上昇率をかけて負担額を算出すると、食料品59千円、光熱費37千円、ガソリン代2千円、その他33千円。年合計131千円の家計負担増になる。物価高騰に最も有効な対策は消費税の減税と賃上げで、家計消費を温めて景気回復を図るべきだ。「勧告を通じて、職務に精励している職員に適正な給与その他の勤務条件を確保することは、職員の努力や実績に報いるとともに、人材確保にも資するものであり、組織活力の向上、労使関係の安定等を通じて、行政の効率的、安定的な運営に寄与するものです。」との総裁談話に賃金カットは反する。職員のモチベーションが下がらざるを得ず、人材確保が困難となるのではないか。賃下げではなく、今は賃上げが必要だ。
(答弁→日下部)職員給与は人事委員会勧告に基づいて、市で期末手当0.1ヶ月分の引き上げを行い、市長部局との均衡も考慮して当局でも同様に対応する。給与カットについては、市の厳しい財政状況を踏まえ、オール市役所で対応することで、理解いただきたい。
○引き上げたが、引き下げの分が上回っていて、実質下る。現下の物価高騰の時にやることではない。市民生活のライフラインを支える重要な仕事を担っているのが公営企業、まさに水道事業。「職員の能力を引き出し、組織のパフォーマンスを最大限発揮するためには、職員の能力・適性等を考慮した育成、人事評価の結果の任用・給与等への適切な反映が重要」と人事院勧告・報告でも指摘している。人勧の指摘に応え、給与カットは撤回を。岸田政権も「構造的賃上げ」と賃上げの必要性を認識している。国内総生産の5割以上を占めているのが家計消費。経済の好循環を作るうえでも、京都市職員も、消費者として京都経済に貢献していく上でも賃金の引き上げが必要。
(答弁→日下部)今回の給与減額の再開分が、期末手当の引き上げを上回ると議員から言われたが、課長補佐級給与減額の再開で48千円、期末手当の引き上げで51千円、若干引き上げが上回っている。
○再開前からの減額も含めればマイナスになる。賃上げ・期末手当アップが必要と人事委員会から勧告されているもとで、全体を見ればマイナスになっているのは間違いない。
(答弁→日下部)課長補佐級で、当初の3%のカットで85千円減額、今回の再開分だけで48千円を合わせて133千円、今回の再開分48千円と比較すると期末手当の引き上げ分は51千円なので3千円プラスと説明させてもらった。年間でいうと82千円の減額となる。
○再開前も含めて、総じて減額になると指摘している。

(更新日:2022年12月04日)