9月市会決算特別委員会局別質疑
10月7日 産業観光局に対し質疑を行いました。
●円安・物価高騰対策として「アベノミクス」異次元の金融緩和は止めるべき
○約24年ぶりとなる145円台に迫る円安・ドル高水準が、物価の上昇に拍車をかけ、8月の消費者物価は、消費税の増税の影響のあった月を除けば30年11か月ぶりの大幅上昇。政府の「物価・賃金・生活総合対策本部」に内閣府が提出した資料は、円安影響が7月時点で物価上昇要因の5割程度を占めていると指摘。この資料は、大企業が円安の為替差益で利益を確保し、経常利益が過去最高となる一方、中小企業は原材料高で減益になっていると説明している。内需を中心とする大多数の中小企業にとって円安は利益を圧迫する要因。民間信用調査会社、帝国データバンクが集計している「物価高倒産」は今年初めから8月末までの累計180件に上り、すでに年間最多を更新している。アベノミクスによる異次元の金融緩和は見直すべきだ。
(答弁→田中産業企画室長)金融政策については、影響が大きく、国・日銀で適切に判断されるべきこと。
○円安の影響についてはどうか。
(答弁→田中)経営動向調査等で不安材料として掲げている。ウクライナ侵攻等の影響も受けている。
○大きな打撃を受けており、異次元の金融緩和止めるべきだ。
●中小企業への直接支援を
○中小企業は日本経済の根幹であり、中小企業憲章では経済や暮らしを支え、牽引する。創意工夫を凝らし、技術を磨き、雇用の大部分を支え、暮らしに潤いを与える存在。「社会の主役として地域社会と住民生活に貢献」する存在と位置付けている。中小企業庁の平成30年の京都の中小企業数統計によると、事業所数48,958事業所のうち大企業は167社、小規模事業社は41,465事業所で約85%。中小企業を加えると99,7%が中小、小規模事業者。従業員総数は638,435人でうち、中小企業で働く人は435,093人で約64%の雇用を支えている。小規模事業者を見据えた支援がいる。ところが「京都・地域企業宣言」では、「私たちは、規模を基準とする中小企業ではなく、人と自然と地域を大切に、地域に根ざし、地域と繋がり、地域と共に継承・発展する「地域企業」である。そ の自覚と誇りを胸に、京都から日本、世界、そして未来を見据え活動していくこ とをここに宣言する。」と「規模を基準とする中小企業ではなく」されているが、異常円安の影響を深刻に受けているのは中小零細事業者だ。認識は。
(答弁→松下地域企業イノベーション推進室長)中小企業が99%を占めている。雇用では70%と支えておられる。経済の担い手、地域を支える京都の宝だ。しっかりと事業の継続、発展ができるようコロナ禍、ポストコロナも見据え支援していく。
○深刻だ。直接支援が必要だ。
◯西京極の住宅街の中で1軒だけある、食料品店、御主人は万事屋だと仰っている方のお話を聞いた。商売を始めて53年。14.5坪の店舗と14.5坪の倉庫で、惣菜とフライ、刺身が自慢で、「ええもん売らんとあかん。」と頑張っておられた。日商は、かつては10~12万円あったが、2004年に売り場面積40,000㎡の大型店ができ、2015年に売り場面積4653㎡のスーパーが2015年五条西小路にオープンし、それ以前からコンビニ、ドラッグストアなどが出店し、売り上げは半減し、更にコロナで最近は2~3万円。売り上げの半分以上は高齢のお客さんへの配達。コロナ融資3,000千円をかり、借り入れは10,000千円に。これまで給付金や保険などで凌いできたがいよいよ返済の目途立たない。返済の条件変更、利子・保証料の支援がいる。
(答弁→松下)融資期間終了と元本返済のピークがR5年度であり、資金繰りが大変になる見込みであり、これに対応する必要がある。巨額の財政支出を伴うため、基本的には国おいて措置されるべきと考えている。国対してゼロゼロ融資の利子補給の期間延長、信用保証料を補助対象とすることなど国に要望してきた。9月8日に政府が中小企業活性化パッケージで検討が打ち出された。国への要望、金融機関への要請などできることをしっかりやる。
●「商業集積ガイドプラン」は開発を抑制できない、小売店を守れ
○量販店の出店調整が必要だ。京都市では、都市づくりの目標と整合した望ましい商業集積の実現を図るため、京都市内を7つのゾーンに分け、地域ごとのまちづくりと商業集積の方向及び大型店の誘導・規制の考え方としての望ましい店舗面積の上限の目安を示している(一方で上限のない地域もある)と「商業集積ガイドプラン」を運用しているが、ゾーンを分けて売り場面積の上限を指定するだけ。周辺地域の商業施設の状況など、商業調整機能がない。最近、私の住んでいる山ノ内の山ノ内の西小路三条を下がったところに最近、中規模スーパーが出店した。近隣には四条葛野大路には大型スーパーがあり、西小路御池に中規模スーパー、西小路高辻にもスーパーがあり、葛野大路に三条と四条の中間点に在ったスーパーが撤退し、そのあとに出展したスーパーも撤退し今はドラッグストアー。スーパーの出店・撤退が繰り返されている。望ましい商業集積に何ら寄与していない。
(答弁→松下)「プラン」を作成し、ゾーンごとに面積の上限の目安など決めている。無秩序な商業開発を抑制できると認識している。
○上限のないところは、青天井で出店してよいことになる。出店や撤退が繰り返されている。葛野大路三条下がったところにあるドラッグストアーは、以前はスーパーだったところ。この場所はスーパーの出退店が繰り返されている。商業集積ガイドプランは売り場面積の上限を決めているだけ。その地域の商店や商業施設の状況は考慮していない。京都市独自に商業調整の検討がいる。ガイドプランでの上限規制だけでは、10,000㎡のスーパーの隣に10,000㎡のスーパーの出店も可能だ。これで適切な誘導といえるのか。
(答弁→松下)ゾーンごとに上限を設定して抑制している。
○全く抑制できない。
○取引ルールについてもうかがう。先ほど紹介した、生鮮食品から乾物など何でもそろう万事屋さんから伺った。地域にとってなくてはならない存在。しかし、スーパーはいろんな意味で脅威、勝負にならないと。青果などは大量の仕入れるスーパーとは仕入れ値が割高にならざるを得ない。野菜や果物などスーパーの売値が我々の仕入れ値より安い。中央市場で仕入れると箱買いで売れ残るのでスーパーで仕入れている。乾物などでは品物により半値で仕入れている。何らかの対策や支援が必要だ。如何か。
(答弁→松下)詳細を把握していないので答弁できない。
◯そういうことが当たり前のようにやられている。頑張っている小売店がこういう状況。弱いもは市場から去れ、という話になる。直接支援を含め考えていただきたい。
○ありとあらゆる業種の事業者から悲鳴が上がっている。飲食店の方からは、「何もかも上がった。」「サーモンは輸送コストが上がり1.5倍になったが値上げは出来ない」。昔から出前をしている飲食店からは、「出前は寿司、うどん、ピザくらいしかなかったが、今は、飲食店の配達を代行するデリバリーで、昔から自前で出前していた私らの出前が無くなった」となげいておられた。魚屋さんも「鮮魚が品薄。値が高い。夏枯れで毎年入荷は減るが秋になっても回復しない」。また西院のお寿司屋さん。2年間、春日祭がなく以前は祭りのときには300本のサバ寿司の注文があった。今年は久々の春日祭だがサバ寿司の注文がめっきり減った」。先日の新聞に、規制緩和の記事に「京都は住めない町になる」「マンションやオフィスビルが建ち。地価が上がって益々人口が減る」等々の声も聴く。かつて、京都はモノづくり、伝統産業のまちだった。職住近接で低層の町工場や住宅が建ち並び、商店街が暮らしを支え、コニュニティーを作っていた。市外から企業誘致よりも既存の商店、中小企業を支援することこそ産業政策の基本にする必要がある。またこの間、様々な支援策が実施されたが、民間事業者に事務を委託した。京都市が直接窓口をつくり支援を行えば委託費も必要なく、直接市職員が事業者と接し支援策を通じ直接実態を掴むことが出来、さらなる的確な支援策に結び付くのではないか。商工会議所を通じた相談窓口の強化も必要かもしれないが、京都市職員が直接行う独自の窓口こそ必要。
(答弁→松下)小規模事業者を含め、事業の発展のため下支えする。経済団体、金融機関との情報交換など、本市独自の実態調査をやっている。事業継続発展へ支援していく。
○経済団体、金融機関との情報交換だけではなく、直接事業者に「京都市職員です」と名乗り事業者を訪問し現状を聞くことが大事。是非やっていただきたい。
(答弁→田中)小規模事業者の方も当然対象に支援してきた。こうした下支えとともに都市の成長戦略を進めるうえで持続可能な行財政運営に取り組んでいく。
(更新日:2022年10月15日)