物価高騰対策を!消費税5%へ引き下げ優しく強い経済を 市政報告№279・280です。

NO.279NO.280 コロナ危機に加えて物価の高騰が国民の暮らしと中小企業の営業を直撃しています。
 昨年来、コロナ危機で止まっていた経済活動が各国で再開され、世界的な需要増で原油の国際価格が上昇しています。レギュラーガソリンは1ℓ170円を超え、昨年度同期比で30%以上値上がりし物価全体を押し上げています。
 ロシアによるウクライナ侵攻がインフレに拍車をかけました。
 日本は、原油・ガス・原材料・食料の多くを輸入に依存しているので、高騰した輸入物価は企業物価指数を押し上げます。2月には前年同期比で9,3%上昇し、41年ぶりの高水準となりました。
 輸入小麦は国内消費の9割を占めています。ロシアによるウクライナ侵略が追い打ちをかけ、ロシアとウクライナが世界輸出高の3割を占める小麦の輸入価格も上昇し、輸入小麦の政府売り渡し価格が4月に17.3%引き上げられました。
 インフレ抑制で欧米が金融引き締めに動き金利が上昇しています。世界の金利上昇の潮流から日本が取り残されています。黒田日銀総裁が大規模な金融緩和政策を続けると繰り返し発言し、円安が一層進み、1ドル130円を突破し、輸入物価が上がっています。
 「異次元の金融緩和」で過剰に供給された資金によるインフレと需給のアンバランスによる価格上昇というダブルパンチの物価高に襲われています。「アベノミクス」の破綻は明らかです。
 あらゆる業種に物価高は深刻な影響となっています。
 4月半ば、飲食店でお話を伺いました。JR花園駅近くの食堂では、「本来なら粗利益は7割だが、仕入れ値が上昇し、現状は5割にしかならない。夫婦二人とお昼の時間のパートで営業を続けているが、日商3万円程度で利益はない」との事でした。また別の食堂では「コロナ前から売り上げは4割ダウンだが仕入れは2割上昇している」と語っています。大映通り商店街の食堂では「昨年から食用油、ラードが何度も値上げされ、5割も上がっている。昨年暮れは品薄ということだった」と話していました。また「ちりめん山椒の材料のジャコが2割値上げに。原価計算したら赤字だったので値上げせざるを得ない」と仰っていました。中華料理屋さんでは「玉ねぎは3倍、プロパンガスも2割上がった」というお話でした。
 洋菓子店では小麦粉が2.5キロで100~200円上がり、さらに6月から200~300円の値上げ、10月にもさらに上がると通知されているそうです。
 お好み焼き屋さんは肉の値が上がっていると仰っていました。豚グラム72円が92円。牛肉は400円が690円。小麦が10キロ5月に1800円から2000円。8月にさらに2200円、10月には2400円に上がると通知されていると仰っていました。キャベツも通常の倍でひと玉200円で高止まり。500円のお好み焼きの原価が100円から倍の200円に上がったとの事でした。「コロナで減った客足は戻っていない。ゴールデンウイーク明けに店を閉めるところが出てくるのではないか」と極めて深刻な状況です。
 先日、かまぼこ会社の社長さんにお話をお聞きしたところ、スケトウダラのすり身の輸入価格が20キロ1万円が1万7千円になり、輸送コストも上がり深刻だと仰っていました。
 焼き鳥屋さんでは、肝や砂ぞりなどの内臓類は大幅値上がりで品物がない、食用油は2倍に上がっているとの事でした。価格に転嫁したいが客離れが心配で近隣店の様子を見ていると仰っていました。

 全国商工団体連合会が4月1日から4月11日の間511事業者に「原材料・仕入れ値の高騰・価格転嫁に関する緊急アンケート調査を実施しています。主な商品・サービスの原材料・仕入れ値を昨年4月と比べると、実に78%が上がっていると答え、今後上がる予定を加えると82%となっています。ところが厳しい経営環境のなか、仕入れ値が上がっているが価格に転嫁できていません。アンケートで仕入れ値の上昇を価格に転嫁できているかとの問いには「一部しか転嫁できていない」が42%。「ほぼ価格に転嫁できていない」が19%、「まったく転嫁できていない」は15%。「きちんと価格に転嫁できている」は21%でした。
 萩生田光一経済産業相は3月30日の衆院経済産業委員会で、コロナ禍の影響を受けた中小事業者を支援する事業復活支援金の対象期間が3月末で切れる下で「4月いっぱいで新たな支援策を考えなければならない。直接支援を残すかを含めて政府全体で検討する」と、笠井亮議員(共)の質問に答弁しましたが、政府は26日の関係閣僚会議で示した、物価高騰に対応する「総合緊急対策」は極めて不十分なうえ、国会の審議を経ず政府の判断で使用できる予備費を積み増すという、財政民主主義に反する内容です。

 この間の新自由主義、アベノミクスによって日本経済が「もろくて弱い経済」になってしまい、国民のくらしと営業に一層深刻な打撃を与えています。
 当面のくらしと営業を守るために、緊急に補正予算を編成し、生活困窮者への給付金の拡大、年金引き上げや、高齢者医療の負担増撤回、大企業の内部留保課税で大幅賃上げ、気候危機打開の新たな投資と事業の推進、事業復活支援金の拡充、家賃支援給付金の再支給などを求めています。

 とりわけ、最も公平で簡素な消費喚起策は消費税の減税です。世界では80の国と地域で、日本の消費税に当たる付加価値税の減税を行っています。物価高騰で消費が落ち込んでいる今こそ、消費税の減税が必要です。
日本共産党京都市会議員団も京都市に「物価の高騰から暮らしと営業を守る対策強化を求める申し入れ」を5月2日に行うました。

 7月の参議院選挙で躍進し、物価高騰から国民の暮らしを守る「やさしく強い経済」を実現しましょう。

(更新日:2022年05月15日)