経済総務委員会で、債権管理条例についてと、住民税特別徴収通知書へのマイナンバー記載について質疑しました。

◆債権管理の取り組みについて
○山田 債権管理の取り組みについて、以前の質疑で、効果的かつ効率的な債権回収を推進することだけを強調するのではなく、生活の状況に応じた丁寧な対応で、市民生活を脅かすような取り立てにならないよう求めた。全国商工新聞1月23日付けに、滋賀県野洲市の取り組みが紹介されている。野洲市長は 「税金を納めてもらう以前に市民の生活が健全でなければならない。市民生活を壊してまで滞納整理をするのは本末転倒。生活を壊さず納付してもらうのが原理原則」と述べている。野洲市の「債権管理条例」は、「滞納は生活状況のシグナル」と捉え、滞納を市民生活支援のきっかけ、「生活困窮者の発見」ととらえている。
野洲市では債権管理の基本指針として2つの柱を立てている、ひとつは、債権管理の効率化。もうひとつは、生活困窮者の支援を位置づけ、滞納発生には様々な要因があって、リストラなどを受けたために無所得・低所得となり、生活困窮状態に陥ったことで滞納しているケースもある。このような滞納者に対しては、通常と同様の回収方法では滞納状況の一時的な解消に留まり、滞納の再発や生活状況のさらなる悪化を招く恐れがあるため、債権回収を的確に行うには滞納者を生活困窮状態から脱出させることが重要となる。そのためには、就労支援などの生活再建施策と収入状況に応じた債権回収計画を組み合わせた納付相談を市民生活相談課と連携して実施する。と債権管理マニュアルに明記している。京都市の債権回収においても同様の考えが必要ではないか。
→西村資産活用推進室長 債権管理の目的は、適正化、市民生活の公平性の確保、円滑な回収。生活を壊してまで回収ことは考えていない。一方で債権の適正な整理も進めていく。野洲市の例も把握している。自立支援法も施行され、保健福祉局においても窓口を設置し取り組んでいる。生活困窮されている方々は滞納者との重なる、庁内関係部局はもとより広く、ハローワーク、包括支援センターなどとも連携して生活支援に取り組んでいる。行財政局としても生活困窮者を把握した場合保健福祉局につなげる協議をしている。
○山田 ハローワークとも連携し生活支援や、滞納者のなかには、多重債務で苦しんでおられる方もあり、弁護士につなぎ、債務整理を進めるなかで納付につながったケースもある。こうした取り組みが必要だ。税金を納めたくても納められない滞納者が圧倒的。差し押さえありきではなく、税金が納められて生活ができるように支えるのが自治体の役割。野洲市の取り組みを参考することを求める。

◆住民税の特別徴収通知書へのマイナンバー記載について
○山田 総務省の「住民税特別徴収通知書」に従業員のマイナンバー(個人番号)を記載して事業主に送付する通知について。従業員の個人番号が強制的に事業主に提供され、郵便物の紛失や誤配達によって個人番号が漏洩する危険も高まることから、通知について検討を求めたが、総務省の通知のとおり実施するとの答弁だった。この問題で、全国の自治体へ、税理士や、民主商工会などが要望を行っている。昨年11月22日には京都府商工団体連合会が、地域経済振興を求め「市が従業員の意思にかかわらず個人番号を事業主(会社)に提供するのは、重大な権利侵害であり、記載をやめてください」と要望している。このほかに、市民税特別徴収通知書へのマイナンバー記載についての問い合わせ、要望はあったか。
→古川税務部長 数件のマイナンバー記載についての質問いただいている。地方税法施行規則に事務運営を行う。
○山田 当初、一部の自治体を除き、総務省通知のとおり実施するとの回答だったが、要望を受け、検討した結果「マイナンバーを記載しない」とする自治体が4自治体、20近い自治体で記載について検討しているようだ。市民が情報漏えいの不安を感じている。検討すべきだ。
→他の自治体は把握していない。大量に短期間に送付しなければならない事業であり、従来から普通郵便で郵送し従来からトラブルは発生していない。
○山田 先日訪問した、業者団体で特別徴収通知書に全従業員のマイナンバーが記載されて普通郵便で郵送されることをおつたいすると驚かれていた。「職員のマイナンバーは特定の職員が管理し、鍵をかけて保管し、理事長をはじめ役員も誰も知らない。厳格な管理をし、情報漏えいも想定し保険もかけている。普通郵便で送れば配達の確認もできない。漏れた情報は取り返せない。そんなことをして京都市は責任が取れるのか」と仰っていた。これが普通の感覚だ。マイナンバーは記載せずに通知することを求める。
→地方税法施行規則にマイナンバーを通知することが定められているところです。特別徴収義務者もきちんと管理していただくことになっており、特別徴収義務者と課税務当局とが正しい番号が共有されることにより円滑な処理ができるようになる。
○山田 個人情報が洩れる事態となった時に責任はとれない。通知にマイナンバー記載は中止を強く求める。

(更新日:2017年02月08日)