11月市会閉会本会議で補正予算賛成討論!

11月市会閉会本会議でした。
 令和4年度京都市一般会計補正予算(案)について賛成討論を行いました。
 日本共産党京都市会議員団は、議題308号 令和4年度京都市一般会計補正予算(案)に賛成しています。その理由を述べ討論します。
 コロナ禍が続く中、サプライチェーンの混乱が原材料不足や物価高騰を引き起こし、年度当初から中小零細企業の営業と暮らしに深刻な打撃となっていました。
 日本共産党京都市会議員団は、今年の4月から6月にかけて「物価高騰・コロナ影響調査アンケート」に取り組み、100件余りの小売商店や零細事業者を直接訪問し、声をお聞きしてきました。
食用油、野菜の大幅値上げで仕入れ値は2倍、テイクアウトの容器など石油製品や、燃油高騰で物流コストの負担が襲い、建設資材など原材料が調達できず、すべての業種で、あらゆる取引が高騰し悲鳴が渦巻いていました。
 アンケート調査の結果では物価高騰の影響を、「かなり受けている」70%「受けている」22%、併せて、92%と、ほぼ全ての事業者が売上の増減に関わりなく深刻な影響を受けていました。この、実態を示し、減収要件を緩和し全ての事業者への支援を求め続けてきました。
 加えて、円安が更なる物価高騰を引き起こしています。円相場はピーク時の152円付近から値を戻していますが、依然として140円台を挟み高止まりが続いています。
11月18日に総務省が発表した10月の消費者物価指数は、生鮮食料品を除く総合指数が前年同期比で3.6%上昇し、第二次オイルショックの影響が続いた1982年2月以来40年8か月ぶりの物価高騰です。資源・原材料価格の高騰に円安が重なり、上昇は14カ月連続。食料品が5.6%上昇し41年7カ月ぶりの上げ幅です。
 2人以上の平均的な世帯の費目別支出額にそれぞれの物価上昇率をかけて負担額を算出すると、食料品59千円、光熱費37千円、ガソリン代2千円、その他33千円。年合計131千円の家計負担増になります。
 今回の、「中小企業等物価高騰対策支援金」は、国庫支出金11億8200万円に一般財源8億8千800万円千円を加え、20億7千万円とし「あらゆる事業者に影響を及ぼしている物価高騰に対する支援」とされ、わが党が求めてきた、減収要件を無くしたものであり、評価するものです。
 「事業の継続の意思のある事業者に本市がとりうる最大の取組」だとされていますが、法人5万円、個人3万円の給付額です。2021年決算では行財政改革計画から447億円収支が改善されています。あと16億円増額すれば、法人10万円、個人5万円の補助は可能です。厳しい経営環境にさらされている中小零細事業者が廃業に追い込まれることの無いよう、切れ目のない支援を求めます。
 併せて、速やかな給付と周知を求めます。交付対象者は中小企業・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者とされています。漏れなく、給付対象者へ支援が届くように周知を徹底することを求めます。6月補正予算で実施した「中小企業等総合支援補助金」は、令和4年4月1日から9月30日の期間に実施た事業が補助対象です。
 「中小企業等総合支援補助金」の交付決定を受けた者等については、「中小企業等物価高騰対策支援金」の、補助金の手続きの簡素化を検討するとされています。しかし、総合支援補助金は書類不備などの理由で申請から2ヵ月以上たっても給付が届いていません。申請数22,141件に対し、交付決定は12月1日時点で6,121件。27.6%にとどまっています。確定申告書等の必要書類が添付されているにもかかわらず給付されていません。何の連絡もないため、「何故給付が遅れているのか」と問い合わせたところ、「事業の実態が確認できない」との回答でした。 
 事業所の看板の写真を添付し給付されたと伺いました。確定申告書の事業所得蘭に所得金額の記載があり、業種も記入されていますから確定申告書だけで確認はできます。
 事業者の実情を熟知されていない事業者に事務委託した結果、機械的な対応で給付の遅れが発生しています。京都市が責任を持ち、審査手続きを改善し、零細事業者が年を越せるよう、まずは年内に、中小企業等総合支援補助金の交付決定を速やかに行い、物価高騰対策支援金についても適切に給付が実施されるよう求めます。
 商店街支援事業は令和2年実施の「京都市商店街緊急支援補助金」、令和3年には商店街のほかに、小売市場、中小商業団体等を補助対象に加え「京都市商店街等消費喚起緊急支援事業補助金」を実施し、今回さらに商業者グループも対象にした「京都市商店街等消費者還元支援事業補助金」の実施となり、補助対象が増えていますが、41,000千円の減額補正となりました。3回実施された支援事業補助金で、3回すべて申請した商店街は、48商店街でした。
 申請事務作業が煩雑で、事業実施後に補助金の給付となるため、銀行で借り入れた商店街や、商店街の会長さんが一旦、個人で立替えて、事業を実施した商店街もありました。
 専従の事務員さんがおられ、体力のある商店街では消費者への還元など有用な支援でしたが、54商店街が3回すべて申請できませんでした。
 申請手続きの支援をはじめ、今回支援が届かなかった商店街にも支援が届くよう、全ての商店街に寄り添った丁寧な支援を求めます。
 地域公共交通における「運行維持確保緊急対策事業」44,000千円は、タクシー事業に対し、燃料費の高騰を踏まえたものです。タクシー1台1万円で、4,300台を見込まれていますが、中小企業等総合支援補助金を受けた事業者は除外されています。
 タクシー以外の事業者は「中小企業等総合支援補助金」の給付決定を受けた事業者も対象です。物価高騰対策であり、燃料高騰の影響を大きく受けているタクシー事業者にも「中小企業等総合支援補助金」に加えて給付すべきです。
私立芸術大学及び私立銅陀美術高等学校新築工事請負契約の、インフレスライドは必要なものですが、市長が財政危機を強調する下で、「いったん凍結し、立ち止まるべき」です。
 今回の補正については実質的に生活者支援といえるものが計上されませんでした。マイナンバーカードの普及促進のため、マイナンバーカードによる証明書発行のコンビニ交付手数料を引き下げる為のシステム間連経費は、マイナンバーカードを持たない人には恩恵はありません。
 国の二次補正を見据えつつ生活者支援を早期に具体化すべきです。 
 さらなる事業者支援、生活者支援を強く求め賛成討論とします。
 ご清聴ありがとうございました。

(更新日:2022年12月13日)