決算特別委員会 中小企業支援を求めました

第三分科会  ●産業観光局   2026年10月7日
■経済認識と賃上げ支援、小規模事業振興条例制定
○山田(共産)決算総括では、「令和7年度は、長引く物価高騰や担い手不足による影響はあるものの、京都経済は全体として緩やかな回復傾向にあった」との認識。内閣府発表の景気動向指数でも「新型コロナウイルス感染症の影響で2020年5月に底を打った後、6月から景気拡大局面に入ったとされ、2026年7月時点で拡大局面は74か月に達し、戦後最長だった『いざなみ景気』(2002年2月~2008年2月)の73か月を上回ったとみられる」とされているが、「実感なき景気拡大」と言われている。景気動向指数は、鉱工業生産指数、商業販売額、営業利益、有効求人倍率といった生産や雇用などに関する指標をもとに景気の動向を判断。指標に入っていない「実質賃金」や「個人消費」は後退、停滞している。実質賃金は1990年から12%も減っている。物価上昇率は2022年から4年連続で3%を超え、賃上げが追い付いていない。個人消費が低迷している実態だ。第159回京都市中小企業経営動向実態調査によると、令和8年4~6月3か月実績では、10期連続で基準となる50ポイントを下回る結果となった。令和8年7~9月期3か月、来期の見通しについて、全産業の企業景気DIは、今期実績と比較して▼2.8ポイント(41.7→38.9)。中東情勢による原材料価格の高騰等の影響を懸念する声が見られ、前期においては「人材育成」と回答した企業が最も多かったが、今期においては「原材料価格上昇」(42.5%)「仕入値上要請」(39.3%)、「人材育成」(36.8%)、「売上不振」(33.2%)であった。製造業では、「原材料価格上昇」(52.4%)、非製造業では、「人材育成」(38.4%)と回答した企業が最も多く、「物価が上がって、人手が足りない」という深刻な悲鳴が渦巻いている。国もそうだが、相変わらず、「京都経済は全体として緩やかな回復傾向」との認識だが、業種・規模それぞれどのような状況か、どの程度つかんでいるのか、認識は。
(答弁→須貝産業企画室長)日銀京都支店9月発表管内金融経済概況では、京滋の景気総括判断は「一部に弱めの動きがみられるが、緩やかに回復している」。他の機関の統計も同様の傾向。マクロ視点で、京都経済は全体として持ち直し傾向。長引く物価高、燃料高、原材料高、担い手不足、金利上昇による借り入れ負担増、企業債務返済等など、中小・小規模事業者を取り巻く環境は厳しい。中東情勢の見通しが立たない、経済先行き不透明。個別事業者の状況は、持続的な事業活動、成長発展にむけ各事業者ご尽力、経営状況改善が進まない事業者があるのも承知している。数次にわたる補正予算で、下支え支援に取り組んできた。
○日銀の判断は、「AI投資が活発、インバウンドが好調」と言いながら「消費に陰りがある」との認識。「ごく一部が好調」だけをとらえている。厳しい状況があるとの答弁もあったが、現在の施策がそれに見合っていない。「経営基盤の強化」等では圧倒的多数の既存事業者が置き去りとなっている。R6年経済センサスでは京都の事業者は73,204件。デジタル化・DX推進プロジェクトは、生産性向上や効率化等による経営基盤強化のための専門家派遣やデジタル導入など、決算額は209,000千円。補助件数はデジタル導入枠85件、展開枠106件。中小企業海外展開支援事業はグローバル企業・中堅企業育成のため、海外進出計画の策定から契約までの支援、48,722千円。採択件数3件。企業立地促進プロジェクト、体力のある企業に多額の支援をしている、983,860千円など、特定の事業者への支援ばかり。ほんとに厳しい事業者に支援が届いていない。7万件以上ある事業者のうち、数百件への支援のみで、多数のところに届いていない。
(答弁→真鍋地域企業振興室長)厳しい状況にある中小企業への持続的発展のため、様々支援している。経営相談事業は商工会議所と取り組み年間2万件以上、制度融資資金繰り支援昨年3400件、人材確保では「京の町企業訪問」で年間4千件の魅力紹介など、多くの事業者を対象とした取り組みもしている。デジタル、賃上げの事業もしている。工夫をして小規模事業者を支援は、専門家派遣とのセットで高い補助率で実施。中東情勢厳しい、7月から新たな融資制度をつくり、まだ2か月ほどだが、229件申し込みあった。補正予算もいただき、様々施策を総合的に実施して、厳しい中小企業を支えていく。
○毎回答弁で相談2万件、融資しているとのことだが、直接支援が全く無い。
○埼玉県では様々な事業者支援メニューが実施されている。中東情勢に伴う石油等由来製品の急激な価格高騰や供給不足の影響で、価格転嫁ができず利益率が前年同月比で5%以上減少している埼玉県内の中小企業者等を支援する制度、価格高騰・供給不足緊急支援補助金は補助率2分の1、上限100万円、下限15万円。代替品対応設備投資支援補助金: 補助率4分の3、上限1,125万円、下限15万円。石油等由来製品を代替品へ切り替えるための設備購入・更新、導入経費、既存機器の撤去・廃棄費用が対象。米国の相互関税措置等に係る融資制度などあり。他にも看護師等確保支援補助金、事業改善助成金、加工米等価格高騰対策支援金などきめ細かく直接支援している。埼玉県の中小企業向けの補助金・助成金・給付金を県下の自治体実施も併せて410件以上。直接支援の実施を求める。
(答弁→真鍋)直接支援について、現金投機のような一時的な支援ではなく、事業者の経営基盤の強化、生産性向上、持続的な経営のための支援が重要と考えている。
○その結果、特定の企業にしか支援が届かない。今困っているのは、京都経済と市民の暮らしを支えている圧倒的多数の中小企業。
○埼玉県で様々な支援メニューが実施されているのは、「埼玉県小規模企業振興基本条例」を制定し、小規模企業が地域経済の活性化及び、地域住民の生活の向上に果たす役割の重要性に鑑み、小規模企業の振興の基本となる事項を定め、小規模企業の事業の持続的な発展を図ることにより、県経済の活性化及び県民生活の向上に寄与することを目的とし、きめ細かな支援を実施している。直接支援すれば直接消費に結びつく。伝統産業や先端産業などものづくり製造業やサービス業などが多数存在する、京都市でこそ「小規模企業振興基本条例」が必要。
(答弁→真鍋)本市では「地域企業条例」で、小規模企業も含めて持続的な発展をしっかり支援している。他都市の状況も調べている、他の政令市では小規模企業振興に特化した条例は無い。
○代表質問の答弁で「「地域企業条例」を平成31年に施行し、本条例に基づき、中小企業・小規模事業者の経営基盤の強化に、取り組んでまいりました。とりわけ、今年度実施している「賃上げ環境整備支援事業」では、特に小規模な事業者から多くの申請をいただいた」と答弁された。京都市賃上げ環境整備支援事業について。一般枠は補助率3分の2、下限50万円、上限200万円。小規模企業枠は補助率5分の4、下限20万円上限100万年。今年5月20日から7月17日まで263件しかエントリーがなかった。エントリーのあった事業者の業種、事業所の規模、設備投資や、機器購入の計画内容は。
(答弁→真鍋)263件申請応募があり、220件採択し取り組んでいただいている。5人以下零細事業者が45%、20人以下が74%、小規模事業者に多く活用いただいている。飲食・サービス業35%、製造業26%、卸・小売業13%。主な用途は、飲食では業務用冷蔵庫・食洗器、製造業では研磨機・加工フライス・加工機・集塵機等々、ミニショベル・フォークリフト等々、業種や業態で様々ある。多様な用途に活用いただいている。
○多様な用途で一定の効果はあったと思うが、あまりにも規模が小さすぎて、生産性向上に資するような設備ができるのは、限られた事業者だ。伝統産業などは多くの工程に熟練の職人が携わるので、生産性向上で効率化を図ることは不可能な事業者が多い。「生産性向上」による「構造的賃上げ」支援には限界がある。「省力化が直接賃上げにつながるとは思わない」とも答弁されていた。
○賃上げ支援については直接支援が必要。京都市中小企業経営動向実態調査で、経営上の不安要素として前期において最も多かったのは「人材育成」。今期も36.8%が「人材育成」と答えている。人材不足の最大の要因は低すぎる賃金だ。京都は伝統産業など人手不足、後継者難は深刻。福祉や医療、介護などの人材確保も待ったなし。労働集約型産業では生産性向上支援では限界がある。支援の在り方をおおもとから見直していただきたい。
○岩手県の賃上げ支援は代表質問でも紹介した。3年連続実施し最大300万円を支援するもの。お隣の奈良県では、令和8年4月から令和8年9月までに、令和8年3月の賃金と比べて3.9%の賃上げを実施した企業に、賃上げを行った従業員1人あたり5万円。上限:1事業者あたり40人(200万円)を支給。生産性向上支援だけではなく直接支援が必要。家計消費が京都経済のエンジン、ここを温めなければ経済はよくならない。
○令和6年の経済センサスによると京都市内の事業事業者数は73,204事業者。第159回京都市中小企業経営動向事態調査によると3~5割、2万件から4万件近い事業者が、原材料価格高騰や人件費増加で苦しんでいる。支援を受けたのは千件にも満たない。京都経済を支え雇用の7割を支えている既存の事業者に、幅広い直接支援が必要だ。2023年の市内総生産7兆369億円のうち市民総所得4兆8265億円は69%を占めている。うち雇用者の総所得は2兆4618億円、消費の半分を雇用者が担っている。賃上げできるかどうかが京都経済の好循環を作れるかどうかの試金石だ。中小企業への直接支援を求める。

(更新日:2026年10月11日)